Vol.40

角膜・鞏膜損傷


角膜とは眼球の前面にある透明な膜です。
鞏膜は、眼球の一番外側を包む強靭な膜で、角膜を除いた部分です。強膜ともいいます。

角膜・鞏膜が損傷を受ける原因は様々です。眼に異物が入って損傷を受けることがあります。
他の犬の匂いを嗅ぐために草むらに入り込んだり、遊んでいて低木帯に走り込んだりして、草や木の枝での損傷もあります。他犬との喧嘩によることもあります。猫から傷つけられることもあります。
若い犬、興奮しやすい犬、喧嘩っ早い犬、狩猟犬などに多いようです。いずれも痛みが伴いますので“眼の感覚の変化”に分類されます。

角膜・鞏膜の損傷は突然のことが多く、犬は目をパチパチさせたり、前肢でしきりに眼をこすったりします。
眼を開けられないこともあります。「夕べ、しきりに目をパチパチさせていたけど、今朝は涙がずいぶん出ているね」という具合です。

通常、角膜・鞏膜、あるいはまぶたに水腫や出血が見られます。よく見ると異物が見つかることもあります。
キズが深いと(角膜・鞏膜を貫通しているキズの場合)は失明の危険も高まります。
細菌感染があると流涙・目やにがひどくなります。すぐに動物病院に診てもらうようにしましょう。

検診で異物が見つかればそれが取り除かれます。その後、アトロピン、抗生物質、抗炎症剤の目薬、その他内服薬が処方されます。キズがひどいときは手術が必要なこともありますし、治療用ソフトコンタクトレンズが使われることもあります。痛がったり、痒がったりしますので、エリザベスカラーの装着が必要です。
重症でない限り1週間ほどで軽快しますが、完治までは様子をよく観察することが大切ですし、運動は少し控え目にします。

【ワラビーグループの診たて】
角膜損傷は、目が大きくて飛び出している犬種(シーズー・パグ・ペキニーズなど)で多く見かけられます。
大きな目はまばたきに時間がかかるので、枝などが接触する際に、まぶたで保護するのが間に合わないようです。炎症を抑える目薬は、そうした際の治癒を遅らせてしまいますので、自宅の目薬で間に合わせることなく、必ず動物病院を受診して下さい。