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三日間ごはんを食べなかった子。

  • Posted by: doubutsuendouri stuff
  • 2011年12月 1日 14:45

先日、肛門腺をしぼりにマルチーズの子が来ました。

9歳の雄の子です。


三日間ご飯を食べないとのことでした。


血液検査をしてみると白血球が異常に高く、詳しく検査することになりました。


レントゲン検査では、


しんのすけ5.jpg

しんのすけ4.jpg

変形性脊椎症もありますが、何かが胃と肝臓を前の方におしているように見えます。

超音波検査では、脾臓の一部が大きく膨らんでいる事が分かりました。

しんのすけ3.jpg

脾臓の腫瘤です。胃が膨らみづらいので食欲がなかったのでしょう。


犬の脾臓腫瘤には3分の2ルールというものがあります。

脾臓腫瘤の3分の2は腫瘍性疾患、そのうち3分の2は悪性腫瘍なのです。

よって、この脾臓の腫瘤を取ってもそのあとあまり長生きできないことが多いのです。


また、人間と比べて犬の脾臓は大量の血液を貯蔵します。つまり、この脾臓の腫瘤が破裂するとお腹の中で大量出血がおこり生命の危機にさらされてしまいます。


飼い主様とお話をさせていただき手術をいたしました。

下のContinue readingをクリックすると手術中の写真がでますので苦手な方はご注意ください。大丈夫な方はおすすみ下さい。




手術をする前に血液凝固検査をします。すべて正常値なことを確認して手術に臨みます。


お腹を開けると、大きな脾臓が出てきます。

R0010205.JPG

R0010206.JPG

やはり、脾臓の一部が破裂しそうなくらい膨らんでいます。大網が癒着しています。少し破裂していた部分を大網がふさいでくれていたのでしょう。


脾臓に続く血管を脾臓に近い部位で結紮していき、取り出します。

R0010207.JPG


出血が無い事とお腹の中の臓器を一通り確認してお腹を閉じます。摘出した脾臓は病理検査に出します。


無事に終了しました。

後から来た病理検査の結果は、『血腫』でした。

血腫の場合も合併症には注意が必要です。

この子の場合は術後経過も順調でした。白血球の数値も正常値に戻りました。


本当によかったですね。

脾臓の場合なかなか症状がでないことが多いです。お腹の中で既に大量出血を起こしてから手術をしなければいけないことも多く救命率が下がってしまいます。


改めて検診の大切さを感じさせられます。

特にゴールデンレトリーバー、ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリーバーなどは脾臓の血管肉腫が多い犬種とされています。中年齢以降は、超音波検査の含まれる検診をしてあげましょう。

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